手順 -事前準備-
UbuntuにOpenCVをインストールする前に行うことが3点あります。- 既存環境を最新状態に更新する。
- 必要なパッケージをインストールする。
- OpenCVのソースファイルを準備する。
では、まずこれらを行っていきます。
1. 既存環境を最新状態に更新する。
Terminalを起動して("Ubuntuの場合、Ctrl + Alt + Tを同時押しする" or "Dashホームで「端末」と入力し実行する")、以下のコマンドを実行し、システムを最新状態にしてください。
sudo apt-get update sudo apt-get upgrade
2. 必要なパッケージをインストールする。
OpenCVを使用する際に必要となるパッケージをインストールします。画像を読み込んだり書き込んだり、ディスプレイに表示したり…と様々なことをできるようにするOpenCVですが、これらを行うためにパッケージが必要になります。Terminalを起動して以下のコマンドを実行してください。
sudo apt-get -y install libopencv-dev build-essential cmake git libgtk2.0-dev pkg-config python-dev python-numpy libdc1394-22 libdc1394-22-dev libjpeg-dev libpng12-dev libtiff4-dev libjasper-dev libavcodec-dev libavformat-dev libswscale-dev libxine-dev libgstreamer0.10-dev libgstreamer-plugins-base0.10-dev libv4l-dev libtbb-dev libqt4-dev libfaac-dev libmp3lame-dev libopencore-amrnb-dev libopencore-amrwb-dev libtheora-dev libvorbis-dev libxvidcore-dev x264 v4l-utils unzip
3. OpenCVのソースファイルを準備する。
OpenCVのダウンロードページからソースファイルをダウンロードするのでも良いですが、今回はTerminal上で全て済ませます。ダウンロードが終了したらファイルを解凍し、その後、解凍したディレクトリに移動します。Terminalを起動して以下のコマンドを実行してください。
cd ~ wget https://github.com/opencv/opencv/archive/2.4.11.zip unzip 2.4.11.zip cd opencv-2.4.11/
手順 -インストール-
ここまでの作業が終了したら、早速OpenCVをインストールしていきましょう。基本的にはTerminalでコマンドを実行していけば完了します。インストールの流れを先に説明しておきます。- cmakeコマンドでmakefileの作成を行う。
- OpenCVをビルドし、インストールを行う。
- Pathを設定し、設定を反映させる。
1. cmakeコマンドでmakefileの作成を行う。
cmakeはよく、ソフトウェアのビルドを行う際に使われます。今回もcmakeを用いてインストールを行っていきます。ビルドする際のディレクトリを作成し、そのディレクトリに移動します。そこで、cmakeコマンドを実行することでmakefileを生成します。Terminalを起動して以下のコマンドを実行してください。ここで注意するべき点は、cmakeコマンドの最後のtwo dots(..)を忘れないことです。これはcmakeコマンドで、今いるディレクトリの一つ上の階層(ここでいうとOpenCVのソースがあるディレクトリ)を参照する必要があるためです。この作業は少し時間がかかります。
mkdir build cd build/ cmake -D WITH_TBB=ON -D BUILD_NEW_PYTHON_SUPPORT=ON -D WITH_V4L=ON -D INSTALL_C_EXAMPLES=ON -D INSTALL_PYTHON_EXAMPLES=ON -D BUILD_EXAMPLES=ON -D WITH_QT=ON -D WITH_OPENGL=ON -D WITH_VTK=ON ..
2. OpenCVをビルドし、インストールを行う。
makefileの作成が完了したら、OpenCVをビルドし、インストールを行います。Terminalを起動して以下のコマンドを実行してください。この作業は先ほどのcmakeコマンドよりも時間がかかりますが、これでOpenCVのインストールは完了です。
make sudo make install
3. Pathを設定し、設定を反映させる。
OpenCVをインストールしたらおしまいというわけにはいきません。このまま、プログラムをビルドした際、ライブラリを参照できないため、エラーとなってしまいます。そこで、Pathの設定を行い、その設定を反映させます。Terminalを起動して以下のコマンドを実行してください。今回はgeditを使って編集を行いますが、テキストエディタは各自お好みに合わせて変更してください。
sudo gedit /etc/ld.so.conf.d/opencv.conf
opencv.confを開いたら、ファイル内の一番下の行に
/usr/local/libを記述してください。ファイルを保存したら閉じてTerminalに戻ります。戻ったら、以下のコマンドを実行してください。これにより設定を反映します。
sudo ldconfig同様に、Terminalで以下のコマンドを実行してください。
sudo gedit /etc/bash.bashrcbash.bashrcを開いたら、ファイル内の一番下の行に
PKG_CONFIG_PATH=$PKG_CONFIG_PATH:/usr/local/lib/pkgconfig export PKG_CONFIG_PATHを記述してください。これで完全にOpenCVのインストールは終了です。
サンプルプログラムの実行
ここまで完了したら一旦Terminalを閉じ、PCを再起動するか、ログアウトしてからログインし直してください。これでOpenCVは正常に動くはずです。それでは、サンプルプログラムを動かしてみましょう。Terminalを起動して以下のコマンドを実行してください。ここではC言語のサンプルを実行します。サンプルがあるディレクトリに移動し、シェルスクリプトに実行権限を与えます。その後、シェルスクリプトを実行してサンプルのビルドを行います。
cd ~/opencv-2.4.11/samples/c chmod +x build_all.sh ./build_all.shビルドが完了したらサンプルを動かします。ここでは、顔検出のサンプルを実行してみます。Terminalで以下のコマンドを実行してください。
./facedetect --cascade="/usr/local/share/OpenCV/haarcascades/haarcascade_frontalface_alt.xml" --scale=1.5 lena.jpg実行後、以下のような画像が表示されれば成功です。色々と試してみてください。なお、自分で作成したプログラムの場合、例えば作成したファイル名を"test.c"であると仮定すると、
gcc test.c -o test.out `pkg-config --cflags opencv` `pkg-config --libs opencv`のようにするとビルドが可能です。
wget以降のインストール手順は、オフラインでも可能ですか?
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